ネットではじまる友情

ある不登校生と話していて、ああ、なるほど、21世紀の友達の作り方には確かにこういうのも在るのだと驚いたことがある。


彼は学校に行かない生活も長いので、クラスなどで何となく顔見知りになるという機会が極端に少ない…というか、まあ皆無。でも、友達は多くはないが、少なくもない。しかも、年齢、性別さまざまで全国に!

言わずとしれたSNS友達である。そこで知りあった人間同士が傷ましい事件になっている報道が少なくないこともあって、インターネット上の薄っぺらな関係だとか、実際に人間同士が出会うことの重みを見失っていないかとか、批判の方が多いかも。会ったこともない人と、プライベートな情報の交換をするなんて、怖い!って。


でも、彼はいう。

「クラスや職場で、実際に〔会う〕人は、どんな趣味でどんな生活をしているかわからないじゃないか。このことのほうがずっと怖い!」


ちょっとわかりにくいかもしれないので、説明すると、通常、人との出会いは、

他人 

↓(情報交換などをすることと通じて)↓

友人・知人

↓(さらに深いコミュニケーションをとりながら)↓

親友・恋人…

というような流れになるのだと思う。

ただこの時、まずは誰もがお互い何も知らない「他人」と出会って、コミュニケーションをとるという第1段階が要求される。このいわばぶっつけ本番の「はじめまして」が怖いというのだ。この人は今後、挨拶するだけの知りあいで終わる人なのか、親友にまでなっていける人なのか、この段階ではさっぱりわからない。わからないのに友人になろうとするのは勇気がいる。正直、嫌だ、怖い、と。

一方、SNSで知りあい、お互いの趣味指向が共通だとわかった上で、じゃあ今度会いますかという手順を踏んでいると、すでにもういろいろ知っている「友人」同士が「初めて実際に会う」にすぎないことになる。だから、怖くない。初めて実際に見るけど、もう友達になっていて、いろいろわかっている人だから。ここから深くつきあっていくことになるかどうかはわからないけれど、とにかく、「友達」というものにすでになっている状態(共感点をたくさん持っていることをお互いに知っている状態)から始めることができるから、安心なのだ。

じゃあ、こんど実際に会ってみる?ということがどちらからともなく提案されて、二次元から三次元のつきあいになる。「まあ、あれ、イメージ違うなあ?ってこともあるけど、だいたいは面白い。つきあいも続くよ。」SNS上でけっこうな本音やヒミツも打ち明けあっていたりするから、驚くほどすぐに打ち解けられるらしい。しかも、ネット友人は個々に事情はあるにせよ、だいたい24時間いつでもどこでも話が出来る。


初対面の人やグループに出会った時の、彼の緊張感はどれほどか察してあまりある。知人で終わるのか、友人関係を深めていく可能性があるのかを一人一人判定していかずにはいられないのだそうだ;;。 だから、というのもいいすぎだけれど、たくさんの「他人で終わる」可能性の高い人々と生活する必要がある学校は、彼にとって本当につらい場所だったろう。

「テレビで観るようなフツーの友人関係もほしいけどね」と彼は言う。でも、インターネットがこうした進化を遂げる前だったら、彼が言う「フツーじゃない友達」を全国に作ることはできなかっただろうと思う。

ただ、ワイドショーのコメンテーターが言うような「実際に人間関係を持たないとわからない衝突や違和感などになれていない脆弱な若者」ではあるのかもしれないから、やっぱり誰かがそばで見ていることは必要なのかも、だけど。きっと、新しい形のニンゲンカンケイを作っていくんじゃないかな。


ドキドキしながら最初に話しかけて、帰り道が偶然一緒でだんだん仲よくなって、学園祭で盛り上がったり、試合に負けてベソかいたり、ケンカして次の日どうやって謝ろうかと悩んだり…なーんていう20世紀青春ドラマな友情の形はないのかもしれない。ただ、インターネットというものが、友情の始まり方の新しい入り口をつくったということは認めるべきだろう。


そうはいっても、私は息子に「ネットで知りあった人と会うの?ほんとに大丈夫??…」と何回か聞いたことがある20世紀人だけどw


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不登校生ママのお話聴きます うさぎの耳

どうやら,我が子は学校に行きたくないらしい と分かった時、 親は、この子にどうしてあげたらいいのだろうと必死で考え、支えようとします。 お気持ち、わかります。 お母さん、お父さん、自分のつらさは語ってはいけないのだと思っていませんか? 小さな声を聞き逃したくない「うさぎの耳」です。

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